ここ最近はこのブログの内容が「この会」だとかで、かなり遠いところへ脱線しているので改めようと思います。
そしていきなり真面目な内容になりますが、ずっとまとめてみようと思っていた耐震改修工事、耐震リフォームについて。
当時私たちが耐震改修工事について考えたときに参考にしたかったのは業者の施工例とかではなく当事者の経験談などでしたが、探してもうまく収集できませんでした。なので今後このような計画を予定している方に対して少しでも参考になれば、と思います。
このお題、難しいんですが…。
参考になるかならないかは分かりませんが、興味のある方はよろしければどうぞ。
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時はさかのぼり物件購入時の話しになります。
中古住宅を買ってリノベーションして、ちょこちょこと手をかけて生活するというのは本当に楽しいことで、このスタイルを選択して良かったなと今でもそう思います。
幸い私たちのライフスタイルにバッチリとはまった中古住宅環境ですが、実際は物件を探すだけでも一苦労、更にそこに住むとなると表面的なことばかり考えてはいられませんでした。(お金のことはさておき…。)
中でも古い家に住む際に悩むところといえば建物の老朽化、耐震性です。
購入を考え物件を見て回っている頃に東日本大震災が起き、この先いつか発生するかもしれないと言われている東南海地震のことなど、古い家は大きな地震が来たらどうなってしまうのか…。
地震に対して敏感にならざるを得ませんでした。
まず、耐震性を知るうえでざっくりと目安となるのは、1981年(昭和56年)以前に建てられたか、それ以降に建てられたかで判断できると知りました。
その1981年(昭和56年)というのは、その年に従来の耐震基準が大きく見直され、大規模地震に対しての新耐震基準が施行された年です。
その後、1995年に阪神淡路大震災が起きました。
この大地震では死者数の多くが建物の倒壊によるもので、その被害が集中したのは「旧耐震基準の建物」との統計があります。
その目安となる1981年ですが、残念ながら我が家はギリギリアウト。
その年以前に旧耐震基準で建てられた家でした…。
これが引っかかり、比較的築年数の浅い物件と比較しどちらがいいのかと真剣に悩んだものですが、中古物件を購入すると決めた段階で物件によっては間取り等を大幅に変更することを考えていたので、それと同時に耐震改修工事をしようという方向になりました。
しかし、耐震改修工事といってもそれにかかる費用のことが気になりますが、それより築30年を超えた家の状態はどうなんだろう?
一体どこからどこまでやらなければならないのか、柱を金具で留めるとかでなんとかなるのか。調べていくうちに基礎が無筋コンクリートなので基礎からやらなければならないのか、屋根瓦は重いから軽い合板などにふき替えた方がほうがいいのか…。それなら結局、建て替えた方が…、いや、だったら新築を探せばいいんじゃないか、新築でも地盤が悪かったら…などの堂々巡り。
考えてもまったくキリがありませんでした。
そんな泥沼にはまりましたが、結局は物件の購入を決めた不動産屋さんが耐震改修工事の実績がある業者さんを紹介してくれたので、その業者さん任せでお願いすることにしました。
私たちの住む市では木造住宅耐震改修費補助制度があり、診断結果の総合評点と、一定基準以上に耐震性を向上する耐震改修工事に対して最大90万円までの補助を受けることができます。(2012年当時)
その補助を受けることにし、業者さんに市のガイドラインに沿ってまずは耐震診断からしてもらうことになりました。
あ、耐震といえばふと思い出すこの人…。
本文とは一切関係ありません |
気を取り直し…
■木造住宅耐震診断の評点とは
- 1.5以上…倒壊しない
- 1.0~1.5未満…一応倒壊しない
- 0.7~1.0未満…倒壊する可能性がある
- 0.7未満…倒壊する可能性が高い
このような基準が設定されています。
診断時に立ち会いはしていませんでしたが、一般診断法という主要箇所を目視でチェックするという方法でした。
しばらくしその結果を待っていると「木造住宅耐震診断結果報告書」という書類をもって説明にきてもう。
さて、気になるその判定値は…。
「0.3…倒壊する可能性が高い」
0.3!? ほぼ0点に近い驚きの低評点!
目視で曖昧な場合は、原則として安全側より評価が低くなる方に判断することとなるとはいえ、ここまでか…、と不安な気持ちになりましたが、いや、診断してなかったら…と思うと更に恐ろしくなりました。
そしてこの「0.3」から「1.0…一応倒壊しない」のレベルに引き上げることで補助金は上限額90万円の補助が確定し、急ピッチで工事に入っていきました。
ここからは完全に業者さん任せでした。
工事完了後は市の職員のチェックがあり工事内容を市に提出しなければならないので、工事箇所は全て写真に収め細かく記したものをもらえ確認することができます。
耐震改修工事はスムーズに進行し、市のチェックも滞りなく通過し終了しました。
この工事にかかった費用は見積書によると
総額1,587,000円
なかなかの大金です。(現在コツコツ返済中)
ここから補助金の90万円を引いた額、70万円弱の支払いになります。
これが高いのか安いのかはではなく、これで安心だー!とならないのが腑に落ちないところで。
耐震診断の評点が1.0に上がったところで、その基準も「一応倒壊しない」と「一応」と付けてしまう曖昧なさじ加減です。
それは建物だけではなく地盤や周囲の環境、自然が相手なので勿論その判断は理解できますが。
耐震改修工事は「確かな診断とその根拠に基づき」という前提でやれば、やらないよりやった方が安心感は遥かに違いますが、その点が微妙なところですので消化不良を引き起こしている原因になっています。
正直、弱った基礎と柱の接合に金物取り付けて何の意味があるんだろう…という、今になると施工に対し疑問を持つ箇所もあったり、例えば、あっちの業者はこの手法を、こっちの業者はあの手法でと施工方法も様々、耐震診断にも種類があるし、意見も様々。
それを素人がどっちが正しいかを見極めることなどなかなか出来ません。
本当に自分たちが納得するカタチで耐震改修工事をやろうとすると、もの凄い時間と労力とお金、極端に言えば両手放しで信頼できる業者さんを選ぶ必要があるのではないかと感じました。
失礼な話しですが、私たちは工事が決まった段階でも他の業者の相談会に間取り図を持って行き、第三者によるニュートラルな立場からの意見を聞いて参考にしたりしました。それはとても参考になった覚えがあります。
また、素人なので限界がありますが工事について色々と調べることも大事でした。
地震が来るかもしれないし来ないかもしれない、倒壊するかもしれないし倒壊しないかもしれない…。そんな感じのモヤモヤ耐震改修工事。
阪神淡路大震災でのデータを見れば安心感は得られますが、地震が起きずにその効果のほどは分からないまま、というのがいちばん望むところです。
安心安全を耐震改修工事だけに頼らず、日々の備えや避難先などをしっかりしておくことが大切なのかもしれません。
※何が言いたいかよく分からなくなりますが、地震に対する不安はあっても、耐震改修工事に対する不安や否定を伝えたいわけでないのでご理解ください。